| ●11月の風月譚 『書物は知識の源泉』 |
| 11月の風月譚「書物は知識の源泉」 今年も残すところ僅かとなりました。 11月は小春日和の穏やかな日々に包まれ今年1年を振り返り、来る慌しい12月の到来に 備える最適の期間であります。 3日は「文化の日」ですので、本を通して知った新しい発見を記載してみようと思います。 私は乱読家ではないのですが定期購読(雑)誌をとり、時々(古)本屋に立ち寄り気分転換を 図っております。 何時も立ち寄る家の近くの本屋さんが松本清張さんの息子さんの店で、お父さんを髣髴させる 笑顔に,あの高名な著作家の余韻に触れることが出来るのも楽しみであります。 本を通して知識を得るのですがその元になっているのが「データ」ですが、このデータの収集に 関しては、立花隆,松本清張,司馬遼太郎の凄さに驚嘆を禁じ得ませんデータをある座標軸 でまとめたのが「情報」であり、更に体系化したのが「知識」であるとするとこの3人の作品の 背景に計り知れないエネルギーを感じます。 漢字に関していえば,宮城谷昌光の文章には漢和辞典が絶対必要です。 更に付け加えますと、「漢字の真髄にこれほど迫った日本人は、彼の他にはいない」というのが、 私の最初に出てくる言葉です。 本題に戻り、本から得た情報の中に新しい発見がありました。 20年程前に「ポートフォリオ分析」なる縦軸に「成長性」と横軸に「収益性」の2次元4分野の 分析(QUADRUPLET)が注目を浴びました。 この縦軸と横軸に基づく4分類(星・牛・犬・?)に従い株券を管理し、株式のリスク回避に使う のですが、この二次元四分野の分類は人それぞれの性格分析にも応用されております。 横軸に「思考の開放度合い」縦軸に「感情の開放度合い」などを組み合わせ、性格分析と各々 の分類された人々との接し方を教えるという、ソフト産業があります。 SOCIAL STYLE4(ウイルソン ラーニング社)と言い、各々の人の持っている生来の特性を分類 する手法です想像しやすいよう4分野を代表的プロ野球の監督で表しますと @野村監督型(分析型)A王監督型(温順型)B川上監督型(直截型)C長島監督型(直感型)と なります。 この分類はアメリカからの分析手法として新規に登場したものと考えておりましたがなんと 明治8年の「文明論の概略」に同様のことが載っておりました。 当時の社会背景において、人物分類の2軸は「古風家」と「改革家」であったようでその2次元 4分野は、「実着」「頑陋(がんろう)」「頴敏(えいびん)」「軽率」とあります。 当時、統計とか分析という言葉すらなかったにも拘わらず、時代に先駆けてこの様な概念を 紹介し、具体的例証までに言及した福沢諭吉さんは、一万円札から消え去ることなく引き 続き登場するだけのことはあるなーと感心しております。 (11月より5,000札の武士道の方は女性に変わります) 更にこの本を精読しますと文明に関し多くの記載がありますが,この本の中で広島カープスの 外野手前田智徳選手を思い出させる文章があります。 第三章に文明の本旨を論ず の中に、「文明は衣食住の安楽のみならず,智を研き徳を修めて 人間高尚の地位に昇るの意に解すべし」があります。 彼は熊本出身で(名門熊本工業高校)、何か古風な雰囲気を与えてくれる魅力ある選手です。 命名にいたった経緯を知る由も無いのですが,この名前を頂いた時から彼は「智を研き徳を 修める」事に日夜邁進しているのだと勝手に思い込み、12年前になりますが巨人戦で逆転 ホームランを打った際も返事もしない彼に「あんたはそれでいいんだ!!」と言い聞かせた自分 に苦笑を禁じ得なかった事を思い出します。 この言葉は国を導く政治家・経営者が常日頃から明記すべきものであり,この言葉が空文化して いるとすると、この国は文明国に未だ遠しとなりますね。 本を通して筆者の時間の推移を知ることもあります。 丁度20年前に「色即是空の研究」が評判になりましたが,この著者は山本七平・増原 良彦両名ですが,たまたま古本屋で増原良彦氏が東大大学院生のときに翻訳に携わった 「仏教とインド思想」の本を見つけました昭和37年発行の本ですので今から42年前になり ますこの2つの本の間の20年間の軌跡、またその後の著作を通して作者の感性・思考が どのように変化し、進化したかを知るのも又本から得る楽しみといえます増原さんを通して、 若くして優れた人は「最初から違うなあ」というのが率直な感想で、「努力は天才に勝る」は、 出来の悪い子に親が自己満足と責任転嫁を含めて当座凌ぎに使う方便でないか、という気が します尚方便とは、本来仏教で苦しみもがいている人々を助ける為の仏の手建てを意味しま すが,一般的にある目的の為に一時的に使う上手いやり方に解します。 本に関してもう一つの日常的な事ですが,会社の隣に古本屋があります毎朝10時過ぎに 沢山の本を自転車に積んだ人々が、買取の期待を持って店頭に待機しております。 共通して50歳前後の同年代の余り清潔とはいえない服装の人達ですが,各々の人がいろ いろな経緯の中で今日があることを思うと,時と場合によっては私自身であるのではないかと 感じ,何時も下を向いてしまいます。 今日の現実の厳しさをこの一面からも、知ることも出来ます。 最後に、今継続して読んでいる「ローマ人の物語」の中にカイゼル(シーザー)は文章の達人で あった事の記載があります。 その要諦は「簡潔」「明晰」「洗練されたエレガンス」との事ですが、最後の 「洗練されたエレガンス」は、彼が当時の上流社会の御婦人を通して身につけたものとして、 並み人には縁の無いものとして留めておこうと思います。 彼が凱旋するとき「市民たちよ,女房を隠せ禿の女たらしのお出ましだ!!」との歓声に迎え られたとの事です今の文章家が彼に敵うだけのものを創作できないのは,たいした御婦人と お付き合いしてない証左というのは言い過ぎですかね‐‐ 『万巻の書籍を持って千里を往く』 P/S 4月の「フェンエイパークの思い出」の文章に、今年はBOSTON RED SOXが宿敵 NEWYORK YANKEESを打ち破ることを期待する事を書きましたが、 3連敗から4連勝と奇跡が起き、更にワールドシリーズにてST・カージナルスにも4連勝し86年 ぶりにチャンピオンになったことに快哉を叫びたい気分です。 今年のBOSTONの11月はちょっと明るい気分でしょう Impossible dream comes true!! |
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