| 「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集 |
| ■ (9)牛乳を飲んでください-A |
| ■牛乳を飲むと長生きする 沖縄の長寿研究で知られる松崎俊久氏(元琉球大学医学部教授) は、子ども時代の食体験から世代を3つに分けています (『高齢者の健康とコレステロール』牛乳・乳製品健康づくり委員会編)。 つまり、給食実施以前に子ども時代を過ごした世代(戦前の食体験を持つ)、 給食初期の世代(脱脂粉乳に象徴される粗末な給食)、および豊かな食品 を使用した充実した給食を受けた世代です。 現在の高齢者は、はじめの世代に属します。子どもが独立して夫婦だけの 生活を送るようになると、じわじわと貧しかった子どもの頃の食事スタイル にもどっていく、と松崎氏は警告しています。この世代が子ども時代に食べ なかった代表的食品が肉と牛乳・乳製品です。これらの食品が少しずつ 老夫婦の食卓から消えていくことになるのです。 食卓から牛乳・乳製品が消えないほうがよいのは、いうまでもありません。 有名な「小金井研究」(東京都で最も長寿の地域である小金井市の70歳住民に 対し、都老人総合研究所が15年間にわたる追跡調査を行った)では、70歳の 高齢者を牛乳をよく飲む男性と女性、あまり飲まない男性と女性とに分けました。 その結果、男女ともに牛乳をよく飲む人のほうが長生きすることが明らかに なりました。特に、牛乳をあまり飲まない男性の生存率が極端に小さいことが わかりました。カルシウムばかりでなく、タンパク質や脂質などの栄養素が 関係していると思われます。しかし、長寿食を論じるときには、この場合は 牛乳であるように、単品主義は必ず誤りであることを忘れてはなりません。 一方、百歳の人の一日あたりのカルシウム所要量は、男性が462mg、女性が 397mgとなっています。沖縄の百寿者のカルシウム摂取量は、男性が624mg、 女性が400mgと、いずれも満足がいく数字が得られています(『データでみる 百歳の科学』鈴木信著、大修館書店)。カルシウム摂取の低下は、特に女性 高齢者の骨粗しょう症や骨折に関係します。それを防ぐためには、現在の カルシウム摂取状況以上に若いときの食生活が重要になります。 ■最大骨量を高めよう 女性は、分娩・出産や閉経という一大イベントがあるので、男性よりも 骨粗しょう症になりやすい宿命を担っています。<女性ホルモン(エストロゲン)は、 骨からカルシウムが抜け出る(骨吸収といいいます)のを防ぎます>。 骨粗しょう症患者は500万人を超え、潜在患者は一千万人以上と推定されています。 したがって、20歳代後半から30歳代にかけての最大骨量(ピークボーンマス)を 高めることが非常に重要になります。若いうちにたくさん『骨の貯金』をしておけば、 骨粗しょう症になる時期を遅らせることができるからです。先に、成長期にたくさん のカルシウムを摂ろうと述べたのは、こういう理由からです。カルシウム豊富で吸収 のよい牛乳は、この目的に適う最良の食品といえます。 牛乳(カルシウム)については、まだまだたくさんの有益な情報があります。 次章でも続けたいと思います。 |