| 「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集 |
| ■ (84) 「病は気から」は本当です・歌と笑いのススメ |
| ■ カラオケですっきり 脳内出血により意識状態が悪く、ほとんどん何の反応も示さなかった 寝たきり男性(73歳)に、1年7ヶ月間、カラオケ、ダンスを中心に 音楽療法を試みました(「日本バイオミュージュック学会誌」18巻1号、 鈴木玲子ら著)。その間、一回約1時間、計150回、当初ほとんど反応が なかったにもかかわらず能動的な音楽療法を根気よく続けた結果、 6ヶ月頃から「おはよう」などのあいさつができるようになり、10ヶ月後 には夫人が「お久しぶりね」を歌ったとき、ワンフレーズ “もう一度、もう一度”を口ずさみました。反応がない中でも定期的に カラオケの刺激を与え続けた効果でした。1年7ヶ月後には幅広い レパートリーをしっかり歌ったり、車椅子から立って数分ならダンスの ステップを踏むまでになりました。主治医は、「現代の奇蹟」と表しました。 音楽は古い記憶を呼び覚ますなど、脳の活性化をもたらします。 カラオケは、(1)メロディーを聴く(聴覚野)、 (2)歌詞をみる(視覚野)、 (3)声を出して歌い出す(運動野、体性感覚野、補足運動野、小脳)、 (4)音程を合わせる(連合野)というように、大脳皮質のあらゆる領域を 活性化します(「日本歯科医師会雑誌」54巻8号、平場久雄ら著)。この 男性の場合は、カラオケやダンスが趣味であったことが功を奏したと思われますが、 カラオケ嫌いの人に音楽療法を試みた場合にはどうなるのでしょうか。興味が もたれます。ちなみに、音楽療法は、音楽鑑賞ががん細胞を殺すナチュラルキラー 細胞(NK細胞)を増加させ、老化の原因でもあるストレスホルモンのコルチゾール 抑制するなど、患者の免疫力を高めることから発想されました (『音楽はなぜ人を幸せにするのか』みつとみ俊郎著、新潮社)。 カラオケは、ダイエット効果も持つことを付け加えておきます (『ヴォイス・ダイエット・声の出し方でヤセる本』上野直樹著、青春出版社)。 一曲を一生懸命に歌うと、100mを全力疾走したくらいのエネルギーを消費します (高音部の多い曲ほどカロリーを費やします)。 |
| 【百寿者になろう】より抜粋(著者の了解済み) 著者 杏林大学医学部教授 大野秀樹 定価1,260円(税込) |