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「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集


■ (83) 「病は気から」は本当です・歌と笑いのススメ
■ 人はなぜ笑うのか
 
 放送タレント・永六輔氏は、なぜ人が歌うようになったかを想像しています。
<「詠」と「謡」という二つの文字があります。「詠」は声を延ばすという意味あい
があり、「謡」は声をゆらすという意味あいがありまして、この二つが歌の根本です。
声を延ばしてゆらすということは酸欠状態になるんです。酸欠状態になってくると
息苦しい。そんなとき、人間の体はよくできています。マラソンのランナーズ・ハイと
いうのをご存じでしょうか。苦しくなってくると快感がでてくるんです。
 歌の場合もそうです。歌い続け、声を揺らし続けていますと快感になってくる。
このへんが「なぜ歌うのか」につながってくるところです。
 たぶん、大昔、言葉が生まれる前から、きっと人間は、自分の思うことを大きく
声に出し、そしてゆらしながら相手に伝えていったんだと思うのです。それが
だんだん言葉になってくる>(「NHK人間講座 人はなぜ歌う〜のか六輔流・日本音楽史」
2003年2〜3月期 )
 作家・井上ひさし氏は、不世出の歌手であった美空ひばりさんを次のように評しています。
 <ぼくが繰り返し聴く曲というのは昭和32年の「港町十三番地」までなんですよ。
あとの「哀愁波止場」とか「柔」とか「悲しい酒」とかは、どうも違うひばりさんの歌
のような気がしていました。
 もちろん、これは一ファンの勝手な思い込みですが、ひばりさんが日本の歌謡曲に
持ち込んだ新しい規則というのは、「日本語を完璧にリズムに乗せる」ことだった。
ある分野に、まったく新しい規則を持ち込む才能の持ち主を人をひとは天才といいますが、
ひばりさんはその意味で正真正銘の天才でした。しかし「港町十三番地」以降、
ひばりさんは日本語をリズムに乗せようとしなくなった。昭和初期の流行歌へ戻って
しまう>(『美空ひばり・“歌う女王”のすべて』文藝春秋)
 

【百寿者になろう】より抜粋(著者の了解済み)
 著者 杏林大学医学部教授 大野秀樹
 定価1,260円(税込)


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