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「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集


■ (78) アクアエクササイズをもっと取り入れよう


 ■ 浮力とアクアエクササイズ

 アルキメデスの原理によって、水中では体重が軽くなります。
水中では体重が軽くなります。肩まで水に浸かれば、体重は約10分の1になります。
ほとんどの臓器、組織の比重が1よりも大きい人が浮かぶことができるのは、脂肪
の比重が0.94であることと残気量(息を全部吐き出しても、一部の空気が肺と気管支
に残ります)が1リットル以上あるからです。はじめに、アクアエクササイズは生涯
を通して実行できる運動と述べたのは、この浮力があるからです。
 杖を必要とする高齢者、腰痛などの比較的軽い整形外科の患者ばかりでなく、半身不随
や小児麻痺などの重症患者、あるいは障害を有するスポーツ選手などでも、水の中で
補助道具を使用せずに歩くことが可能になり、いろいろな動作もできるようになります。
浮力によって、筋力をあまり必要としなくともトレーニングができ、筋バランスを回復
させることができるからです。
 加えて、この浮力によるフワフワ感は、精神をリラックスさせて気分転換が図れます。
たとえば、水中リラクゼーション(仰臥位フローティング)により癒し系の自律神経である
心臓副交感神経レベルが上昇し、同時に興奮系の交感神経が抑制されることがわかって
います(「体育の科学」50巻7号、小野寺昇著)。さらに、心房性ナトリウム利尿
ペプチドが増加することから、血圧が抑制され、腎臓からの塩分の排泄が促進されるので、
腎臓の負担が小さくなります。すなわち、水中はリラクゼーション効果をいっそう高める
ことが強く示唆されます。

■ 水中井戸端会議

 スポーツ科学女性研究者のパイオニアである加賀谷淳子日本女子体育大学教授は、
カナダでの体験からプール内の「井戸端会議」というおもしろい表現をしています。
(「体育の科学」50巻7号)。寒いカナダでは1年中温水プールが解放されていて、
加賀谷教授の住んでいたアパートの地下にあるプールにも、夕食後に年配女性が連日
集まって1時間ほど時を過ごしていたそうです。彼女たちは、ほんの少ししか泳がず、
ほとんどはプールのまん中で手足を動かしながらおしゃべりを楽しんでいたそうです。
これを、水中井戸端会議と名づけたのです。
 しかし、この一見ものぐさなパフォーマンスでも、体温よりも低い水温で軽い運動
やおしゃべりをすることから、特に水の持つ大きな熱伝導率という特性によって、
体温調節機能が発達し(後述します)、消費カロリーも大きくなります。ただそこに
いるだけで健康に効果が期待できるのです。そのプールダイエットの決定版が、次に
紹介する流水プールです。


【百寿者になろう】より抜粋(著者の了解済み)
 著者 杏林大学医学部教授 大野秀樹
 定価1,260円(税込)


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