| 「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集 |
| ■ (7)百寿者の元気度 |
| 百寿者の日常活動能力(ADL)は、調査票によって調べられます。 老年心理学者・井上勝也氏のADL調査票は11項目からなり、それぞれ5点評価 となっています。7項目の身体的ADLに加えて、2つの感覚器能力と知的ADL からなっていて、3つの大項目に分けられます。 1995年、老人福祉開発センターが中心になって実施された全国調査では、 百寿者のADL11項目は、ほとんどの項目で女性が明らかに低値を示し、 そのために、総平均点は男性3.7±1.5(標準偏差)、女性2.9±1.5と、女性 が有意に低い値になりました (『データで見る百歳の科学』鈴木信著、大修館書店)。 本人はもちろん、介護を行う立場でも、最もつらいものの1つは排泄処理 でしょう。特に大変な大便処理については、男性の66.7%が独自にトイレで 排便が可能な一方、女性ではその割合が35.3%しかありません。逆に、完全 オムツ排便は、男性25.4% 女性44.1%でした。加えて、衣類の更衣に関して は、自力可能な男性36.5%、女性20.3%で、完全着せ替えは男性20.6%、 女性42.7%、ADLの平均点が男性3.4、女性2.7と、ここでも女性の元気のなさ が目立ちました。 第1章で、死の直前まで日常生活の最低限のことは自力でこなせるよう (つまり、各項目のADLスコアが3点以上)に健康寿命を保つことが理想と 述べました。低値を示す明確な理由はまだはっきりしないものの、ADLの 総平均点がすでに3点を切っている女性の百寿者への警告は、イエロー カードからレッドカードに切り替えられてもしかたがないでしょう。 日野原重明氏は、75才以上で心身ともに健康で、まだ十分に社会貢献できる 人たちを「新老人」と呼んでいます。 (毎日新聞2001年8月30日「ザ・インタビュー『65才は高齢者ではない』 聖路加国際病院理事長日野原重明さん」)。このため、「65才で引退」など、 とんでもない。「新老人」は生涯現役。 「引退はこの世を去る時」と考えて生きましょう、と日野原氏は主張しています。 |