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「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集


■ (62) 積極的な休養をとろう

 ■ 睡眠

 人は眠るために生きているのではありませんが、睡眠が生命になくては
ならないことは誰でも知っています。睡眠が生命になくてはならないことは
誰でも知っています。睡眠の生物学的意義は、高体温である人を含む哺乳類と
鳥類のエネルギー代謝を周期的に節約することです。睡眠中代謝率の低い動物
ほど寿命が長いことが知られています。もしも、人の体温を31度に下げる
ことができたら、寿命は280年に延長するという計算がなされています
(「Mebio」15巻11号、後藤佐多良著)。もっとも、低体温による活動低下を
きたして、現段階では机上の空論です<睡眠中の体温を人工的に下げて寿命を
延ばそう、というプランを筆者はもっていますが(「日本衛生学雑誌」56巻1号、
大野秀樹ら著)>。
 もう一つの意義は、レム睡眠(覚醒に近い脳波を出し、夢を見やすい眠り
の浅い状態)の存在です。レム睡眠は、新生児で全睡眠の50%、成人では20%
です。未熟児ではその比率はさらに高まります。レム睡眠は、外部環境に
代わって脳を刺激するのに役立つと推測されています。そのため、高齢になって
も夢をよく見る人はそれだけ精神活動が盛んで活力が高いといえます。
(『生活習慣病の予防・治療のための健康づくりへのアプローチ』)
 一方、入眠後1〜2時間で出現するノンレム睡眠時(深い眠りの状態)に
成長ホルモン分泌がピークになります。「寝る子は育つ」は迷信ではありません。
その他、免疫力を高めるなど睡眠の効能はたくさんあり、「風邪には寝るのが
一番の薬」、「よく眠った後の肌は美しい」も本当です。
 最近の研究によると、睡眠時間が一日7時間前後の人が最も長生きすることが
わかってきました。(毎日新聞2002年2月15日「長生きの秘訣は7時間 米研究グループ)。
昔から望ましいといわれている8時間では、男性が12%、女性が13%、7時間の人がよりも
死亡率が高く、長生きの観点では、8時間の医学的根拠はなくなりました。7時間から長短
ともに遠ざかるほど死亡率が大きくなります。さらに、一日9時間以上の人は、
7〜8時間の人に比べれてがんの死亡率が20〜30%高いことが日本の研究によって明らかに
されています。(毎日新聞2000年10月7日「睡眠が長いと、がん死亡率アップ?名古屋
大学など調査」)。しかし、睡眠時間に個人差があることはいうまでもありません。
96歳の現役の精神科医・秋元波留夫(東京大学名誉教授)は、宵っ張りの朝寝坊、
今も9〜10時間眠ります(朝日新聞2002年9月13日「長寿の私ぴかぴか現役」)。要は、
自分にあった睡眠時間をキープすることです。
 70歳以上の高齢者の約三人に一人は、不眠に悩んでいます。快眠を得るためのコツを
表1に示します。寝酒は、100歳で銀座のバーマダムの有馬秀子さんが就寝前に日本酒を
小さなグラスで一杯半たしなんでいたように、飲みすぎないことが大事です。量が増え
ると、レム睡眠が壊されて寝不足になったり、もちろん依存症の危険性が生じたり、
マイナスの要素ばかりになっています。

・ ・・・・表1 ぐっすり眠るためのアイディア・・・・・・・・・・・・・
・ゆるめのお風呂にゆっくりと入る。
・夕食は控えめにして夜食はやめる。
・眠る数時間前からコーヒー、お茶、タバコは控える。
・寝酒はほんの少量にとどめる。
・就寝前にホットミルクを飲む。
・床の中にまで仕事や考えごとを持ち込まない。
・毎日決まった量の運動をする。
・室内は暗くし、騒音も入らないようにする。
・枕は6〜9cmの高さで、素材は熱を発散するそばから、フェザー、ポリエス
 テルなどを選ぶ。
・寝床の中は温度33℃前後、湿度は50%くらいに。
・掛けふとんは重すぎないもの、敷きふとんはやわらかすぎないものを選ぶ。
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(関谷 透監修:『心のコリをほぐす本』日本私立学校振興・共済事業団)
 

【百寿者になろう】より抜粋(著者の了解済み)
 著者 杏林大学医学部教授 大野秀樹
 定価1,260円(税込)


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