| 「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集 |
| ■ (60) 積極的な休養をとろう |
| 健康づくりのための休養には、受け身の「休」と攻めの「養」の二つの要素があります。 生活に後者の積極的休養を取り入れて、百寿を目指しましょう。 ■ 休むこともトレーニング 一流アスリートが陥りやすい最も危険な状態はオーバートレーニング症候群です。 オーバートレーニングとは、過労、過負荷、消耗、不活発、慢性疲労のような 複雑な症状を包括する言葉で、トレーニングをするほど成績が低下してしまう状態です。 勇気が必要ですが、容易に回復が可能な早期の段階で数日間、症状が進んでしまった場合には 6週間以上の休養をとることが大切です。ある事情で休養をとり、すばらしい結果を生んだ トップ中距離ランナーSebastian Coe(英国)の例を紹介します(『ランニングの基礎と実践』 Newsholme,E.ら著、文光堂)。 「私の1979年の先決の目的は、学位を取得することであった。その他のことは、二の次で あった。3月以降トレーニングを減少し、6月に試験があり、それ以後再びトレーニングを 増強した。私は、いくつかの国際レースに出場しないことにした。なぜなら、最終試験 までの1ヶ月の間、毎日午前2,3時まで勉強し、トレーニングはほんの少ししかできず、 最高の状態ではなかったからである。しかし、マルメ(スウェーデン)へ行くと、突然 私の力が一度に戻ってくるのを感じた。そして、精神的エネルギーの代わりに肉体的 エネルギーを使うことで非常にリラックスした。200mから開始し、最大限に800mを走って、 かなりの余裕を持ってゴールすることができた」 1979年7月3日、Coeは世界記録で800mを走りました(1分42秒33)。続いて、7月17日に 1マイルの世界記録(3分48秒95)、8月15日には1500mの世界記録を出しました(3分32秒03)。 過去4ヶ月間、最小限しか練習しなかったランナーが、6週間以内に三つの世界記録を出す ことに成功しました。休養が逆にトレーニングの役目を果たしたのです。一流のアスリート が特に試合の前に自ら休養をとるのは、非常に度胸がいるそうです。 |
| 【百寿者になろう】より抜粋(著者の了解済み) 著者 杏林大学医学部教授 大野秀樹 定価1,260円(税込) |