| 「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集 |
| ■ (59) 活性酸素は怖くない |
| ■ 活性酸素と仲よくしよう 人類は、SODを中心とした抗酸化酵素システム、ビタミンCやE、グルタチオンなどの 抗酸化物質の力を借りて、活性酸素との戦いに勝利してきました。そのため、絶えず 体内で活性酸素が発生しているにもかかわらず、傷害が生じないのです。さらに、 したたかなことに、侵入してきた細菌を活性酸素を利用して白血球が殺す作用のほか、 さまざまな転写因子や酵素(SODなど)を誘導し、増殖、分化、老化、細胞死(アポトーシス) といった細胞の一生を左右する情報伝達物質、シグナルとして利用するようになってきました。 喫煙、日光(紫外線)、激運動などの活性酸素発生因子を遠ざけ、これまでに、これまでに 紹介してきた蕎麦、茶、トマト、赤ワイン、リンゴ、豆腐などの抗酸化食品を含んだバランス のよい食事を摂取していれば、活性酸素は決して怖くはありません。 加えて、血管壁に多く存在し、抗動脈硬化作用で注目を集めてきている細胞外SOD量が ごく短期間(三週間)の軽いトレーニングで三倍にも増加することが明らかにされました (「J.Clin.Invest105巻11号、Fukai,T.ら著)。SODは、そもそもビタミンC、Eよりも 10の4乗倍早くスーパーオキシドと反応し、それがさらに3倍になるのですから、エモリー 大学(アトランタ)のFukaiらは、適度な運動を持続することは、抗酸化ビタミンを補給 するよりもはるかに効果的であると唱えています。運動によって、自らの抗酸化能を高める ことができるわけです。しかし、高齢者や喫煙者など酸化ストレスが亢進していると考え られる人は、抗酸化剤を摂取したほうが望ましい、とする考えの方が一般的です。ちなみに、 米国の老化関連の複数の学会は、ビタミンCを200mg、Eを200IU、サプリメントによって 毎日摂取することを推奨しています。この量は日本人にもほぼ適量であると筆者は考えます。 「芸術新潮」に長らく<気まぐれ美術館>を連載した型破りの美術評論家・州之内徹氏 とある人妻との一年半の恋は、彼女からの手紙で終わりました。 「あたし、なんだかしんとしてしまったのよ。煮え立ったお鍋に水を注したときのように、 急にしんとしてしまったのよ」(『気まぐれ美術館』新潮社) 活性酸素をしんとさせる方法はありませんので、腐れ縁と割り切って、よい点を生かし ながら、せいぜい仲よくやっていきましょう。 |
| 【百寿者になろう】より抜粋(著者の了解済み) 著者 杏林大学医学部教授 大野秀樹 定価1,260円(税込) |