| 「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集 |
| ■ (55) 活性酸素は怖くない |
| 活性酸素は万病のもとです。しかし、生物は進化とともに対抗手段を獲得し、 人はその頂点にいます。喫煙、紫外線、激運動などの活性酸素発生源を避け、 バランスのとれた食事を摂取していれば、活性酸素の害は怖くありません。 ■ 酸素はもちろん、活性酸素も常に同居している 私たちは、運動するとか、高所へ出かけるとか、潜水をするとか、特殊な 場合以外は無意識に呼吸をして空気を体内に取り入れ、空気(酸素)の存在 を実感していません。 同様に、呼吸によって消費される酸素の2%が常に活性酸素という一種の毒に 生体内で変化していますが、実感することはありません。 これは、エドガー・アラン・ポーの有名な短編『盗まれた手紙』(東京創元社) の手紙の隠し場所と似ています。パリの警察によって大臣官邸の中を家具の継ぎ目 にいたるまで徹底的に調べられましたが、貴重な手紙は見つかりませんでした。 なんと、手紙は居間の誰もが目にする名刺入れに無造作に入れられていたのです。 何度もこの名刺入れを目にしている警察は、まさかと調べていませんでした。 この名刺入れが酸素で手紙が活性酸素に相当するかもしれません。探偵デュパンは、 これを地図のパズル遊び(地図の名前を言って、相手に捜させるゲーム)に喩えて います。「初心者は、いちばん細かな文字で書いてある名前を言って、相手を困らせ ようとするのが普通だけれど、上手になってくると、地図の端から端まで大きな字で ひろがっているような言葉を選ぶ。こういう名前は、街の通りの看板やプラカード であまり大きな字を使っているものと同じように、極端に目立つせいでかえって 見のがされてしまうわけだ」 今度は、どちらが酸素で、どちらが活性酸素でしょうか。ユーモア感覚に富んだ 織田正吉氏は、こういった現象を、「よく見えるものは見えない」と称しています (『ジョークとトリック』講談社)。 |
| 【百寿者になろう】より抜粋(著者の了解済み) 著者 杏林大学医学部教授 大野秀樹 定価1,260円(税込) |