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「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集


■ (50) 百寿は遺伝子だけでは決まらない

 百寿は遺伝子だけでは決まらない

 百寿に到達するには、遺伝因子ばかりではなく、生活習慣などの環境要因も強く
関与しています。その中でも食環境が重要であり、とりわけ「腹八分に医者いらず」
という言葉を強調したいと思います。

■ 三木のり平氏と百寿者
 
  出身は新劇の役者で、アドリブの天才だった三木のり平氏は、『のり平のパーッと行きましょう』
(小学館)の中で、モノローグの世界に遊んでいます。
 <喜劇役者っていうのはね、言っちゃ悪いけど、普段はあんまりおもしろくないんだよ。
 伴淳さん(伴淳三郎氏のこと:筆者注)だって、もちろんシゲさん(森繁久弥氏)だって、
 フランキー(フランキー堺氏)だってさ>
 <・・・・・作者の先生のなかには、自分が書くよりも、ここは一番、役者にまかせ
 ちゃおうなんて考えたのか、台本に「この部分、よろしく」なんて書いてある。
 菊田先生(菊田一夫)の芝居にも、そういうの、よくあった。「よろしく」って、ていねいに
 書いてあるのはまだいいほうで、「ここで観客大爆笑」なんて書いてあったり・・・>
 <富士山と同じでさ、裾野が広いと、大きな役者になるよね。パッとスターになっちゃった
 女優はパッと散っていくよ。これはふしぎなもんで、下積みが長い人ほど、いい仕事をする
 っていうのは本当だね(森光子さんのこと:筆者注)>
  いずれも、百寿者への道に通じます。普段は、からだによいものを食べようかとか、タバコ
 のようにからだに悪いことはやめようとか、あまりおもしろくないことの連続(下積み)の
 ようにみえます。しかし、これでパッと花開くとき(百寿者になる)がくるかもしれません。
 これは、芝居の才能があまりなくとも(長寿の遺伝子に恵まれていなくても)、日頃努力をして
 いればチャンス(長寿)が巡り、才能があっても(長寿家系に生まれても)、努力を怠れば
 線香花火(短命)で終わってしまう、ということを示唆します。筆者は、この普段をいかに
 (ささやかであっても) エンジョイして過ごすのかが最も大事なんだと感じています。結局、
 人生の台本をつくるのは、自分自身に他ならないのですから。

【百寿者になろう】より抜粋(著者の了解済み)
 著者 杏林大学医学部教授 大野秀樹
 定価1,260円(税込)


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