| 「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集 |
| ■ (49) 運動は寿命を延ばすのか |
| ■ オーダーメイドの運動処方 従来、「運動と寿命」の大規模な研究はほとんど欧米でおこなわれてきました。 今でも、6METS以上の激しい運動のみが寿命を延長させる効果を持つ、という報告 がしばしばなされています。METSとはmetabolic equivalents の略で、安静状態を 維持するための酸素消費量(3.5ml/kg体重/分)を1METとし、種々の仕事や運動が その何倍の酸素を消費するかで表示する方法です。最大酸素摂取量にあるような 運動強度は10〜12METSとなり、健康増進のために望まれる運動は5〜6METS程度までです。 筆者がよく行う歩行、丘登り、ハイキング、登山は、それぞれ2〜3、5〜10、3〜7、 5〜10METSとなります。しかし、すでに述べたとおり、このような欧米の結果をそのまま 日本にあてはめるのは問題が少なくありません。 ここでは、多くの論文で報告されているように、4〜6METSの中程度の運動を生涯持続 させることが長寿に繋がる、とまとめたいと思います。しかし、残念ながら、運動は寿命 延長効果を持ちますが、最大寿命は延長させないようです。これ1つで十分という健康食品 が存在しないように、運動のみでは、百寿の道は容易ではないかもしれません。 最後に、各人の遺伝子(SNP)を知り、生活・食習慣を把握したうえで、より具体的で 正確な運動処方を行う時代がまもなくやってきます。さらに運動が寿命を延長させる可能性 を持つことでしょう。 |
| 【百寿者になろう】より抜粋(著者の了解済み) 著者 杏林大学医学部教授 大野秀樹 定価1,260円(税込) |