| 「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集 |
| ■ (44) 豆腐が大豆(大事) |
| ■豆腐とグルメ 最後は、ちょっとグルメツアーをいたします。荻昌弘氏は、 「豆腐はもう、京都にとまるときなど、毎朝、嵯峨野の森嘉へ車をとばして、 冷奴用と、厚揚げと、ひりょうずと、おからの玉を買いにいってあきない くらい、安くて、うまくて、好きである。早く食いたくて、あんまりあわてて、 店の前のドブへ、車ごとおちたことがあり、豆腐で怪我をする、とは、なるほど、 これであったか。合点したものだった」(『男のだいどか』文藝春秋)と、グルメ ぶりを発揮しています。一方、「有名な森嘉の豆腐は東京のデパートでちょっと 贅沢すればずっとましな品が買える程度の、たいして香りも味もないもの」 (『いちどは行きたい恨ミシュラン』西原理恵子ら著、朝日新聞社)という 厳しい評価もあります。グルメ本なんて、こんなもの、と割り切って読むに越した ことはありません。(このケースは、荻氏の本が20年ほど古く発行されている ことを、ご参考までに) 数すくない信頼できる食いしん坊・森須滋朗氏は、仙台市の豆腐を推薦してい ます。「普通、豆腐は白大豆で作るが、稀に青大豆または黒大豆を用いることも あり、そのほうがうまいと聞いていた。・・・仙台地方では、アオバタマメと呼ぶ 緑色の大豆がとれる。土地では、その豆をゆでて塩を振るか、または生醤油 をつけるかして食べる。こうすると、アオバタマメの持つ自然甘みが際立ち、 ほかのどんな手をかけた食べ方をするよりも、はるかにうまく、おまけに香りが いい。そんなアオバタマメで豆腐を作れば、どうまちがってもまずかろうはずが ない」(『本当は教えたくない味』文藝春秋) 豆腐と納豆料理の「豆仙坊」で食べられ、それを開いている「高橋食品」で 購入できます(筆者も、おいしく試食したことがあります) 他方、日本の味を追求している河野友美さんは「アメリカへ行くと本当の 豆腐が食べられる。日本の豆腐は、水増し、油抜き、味つけ豆腐が増え、情けない」 と嘆いています(『まちがい食品学』毎日新聞社)。水っぽくない堅い豆腐は アメリカで(『もの食う話』福田恆存文藝春秋)とならないことを祈るだけです。 |
| 【百寿者になろう】より抜粋(著者の了解済み) 著者 杏林大学医学部教授 大野秀樹 定価1,260円(税込) |