| 「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集 |
| ■ (23) 「素食」でいこうー豚肉も食べようー |
| 「素食」でいこうー豚肉も食べようーB ■「粗食」と「素食」 2001年、カリフォルニア大学リバーサイド校のSpindler,S.R教授らは、不老長寿のカギ は「粗食」にあるという意外な報告をしました。(「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」98巻19号)。 しかし、実はこの報告は、従来からの唯一寿命を延ばすことが出来るのは制限食だけである、 という考えの繰り返しにすぎません。 長寿研究で有名な柴田博教授(桜美林大学)は、かねてからこの説を日本人にあてはめる 危険性を唱えています。つまり、昔から日本にある「粗食なものを食べて一生懸命働くと 長生きする」とか、「60歳を過ぎたら豆腐とゴマと菜っぱを中心にするのがよい」という 説は明らかに迷信であり、日本人が1984年に世界一の長寿国になれたのは、東京オリンピック (1964年)を境にして、肉や牛乳・乳製品の消費が増えはじめ、その結果、増大した 動物性タンパク質の摂取が血管を丈夫にして、国民病といわれていた脳卒中が減少したからだ、 というものです(「Geriatric Medicine」39巻3号) 1日の摂取エネルギーが3,000キロカロリーを超えている欧米各国では、確かに「粗食」 (総エネルギーの30%カット)が必要でしょうが、1975年に2,226キロカロリーであったわが国 の摂取エネルギー量は、2001年には、1,954キロカロリーにまで減っており(『五訂食品成分表』 香川芳子監修、女子栄養大学出版部)、この調子で減少が進めば、逆に「粗食」(カロリー制限) は望ましくないものになる可能性があります<BMIが18.5以下のやせすぎも肥満と同様か それ以上に短命をもたらします。BMIとはbody mass index の略で体重(kg)を身長(m)の 2乗で割ったものであり、男女ともに22付近が最も病気になりにくく、25以上が肥満と定義されて います>。 沖縄の食事事情に詳しい尚弘子琉球大学名誉教授は、飽食の時代にあってこそ、先人たちの 残した食の知恵、「粗食」ではなく「素食」、いわゆる贅沢ではない、からだによい、栄養素 のバランスのとれた質素な食材の価値を見直したい、と主張しています。(『長寿のための 沖縄健康百科』新報出版)。そして、「長寿食」または「養生食」といわれる沖縄の食について、 数多くの食素材の中から、4つの素材を取りあげています。すなわち、豚肉、海藻、野草(薬草)、 沖縄豆腐です。このうち、今回は、豚肉にフォーカスをあてた次第です。 |
| 【百寿者になろう】より抜粋(著者の了解済み) 著者 杏林大学医学部教授 大野秀樹 定価1,260円(税込) |