| 「百寿者(ひゃくじゅしゃ)になろう」抜粋集 |
| ■ (11)続・牛乳を飲んでください-A |
| ■日本人も牛乳を飲んでもおなかは大丈夫 こうして、タイトルの「牛乳を飲んでください」に話をもどします。 乳児期の牛乳アレルギーのほとんどは、2〜3歳までに治癒します。 一方、成人で牛乳を飲んで下痢をする人は珍しくありません。これは、 アレルギーによるものでなく、日本人の場合は、ほとんど乳糖(ラクトース) 不耐症といって、二次的に学童期の頃に小腸粘膜上皮細胞の刷子縁という ところに局在する乳糖分解酵素(ラクターゼ)活性が低下することによって います。まさに、農耕民族ですね。しかし、筆者は、搾りたての牛乳をちよっと 温めるだけでごくごく飲んでも何ともない酪農の人たちを何人もみてきました。 慣れです。筆者は、脱脂粉乳世代で給食のときにこの不味いミルクから逃げ まわったバチがあたって、大人になるまで牛乳は苦手でした。しかし、お世話 になった酪農の方が勧める牛乳を断るのが心苦しく。20歳代のときに牛乳に チャレンジしてみました。 すなわち、盃一杯からはじめ、徐々に量を増やしていき、おなかが緩くなった ら少しもどし、とちょうど高い山に登る極地法のようにして、一ヶ月後には、 牛乳一本(200ml)を一気にのんでもほとんど大丈夫になりました。もっと早く から努力していれば、とチビの筆者は、大変後悔しています。もっとも、海外 旅行のときには、ラクターゼがなくても消化・吸収できるチーズ、ヨーグルト などの乳製品は十分に摂りますが、今でも万が一に備えて、牛乳はあまり 飲みません。この方法によって、多くの人たちに牛乳を飲んでいただくことに 成功してきました。 どうしてもダメな人には、乳糖不耐症専用の牛乳が市販されているものの、 すでに述べた乳製品によって補うこともできます。特にスキムミルクは、 『つなぎ』として使う小麦粉やカタクリ粉などの一部として加えることができ、 洋食にも和風料理にも合い、大変重宝です。しかし、カルシウムの補給は 牛乳や乳製品に限ったことでなく、どじょうやしらす干し等のように、いろ いろな食品から摂取すべき なのは、いうまでもありません。 |
| ■牛乳の効能 疫学的研究から、牛乳(カルシウム)は、骨粗しょう症以外にも いろいろな疾患に効能を持つことがわかっています。たとえば、脳卒中 の発生を抑え、収縮期および拡張期血圧をともに低下させます。 さらに、牛乳・乳製品の消費が比較的多い都会と少ない農村地域での 調査の結果、都会でのみ認められた疾患もありますが、牛乳・乳製品の 摂取が高い人ほど種々の疾患の発症率が減少することが明らかになりました。 これらの因果関係の詳細はまだよくわかっていません。しかし、次項でのべる ストレスと関連して、自殺の発生が低下することは、非常に興味深いものが あります。基礎的研究では、核酸をアルキル化<DNAの電子の豊富な部分に アルキル基が付加される>し突然変異原として働くニトロソウレアのアルキル 化作用に対し、牛乳が抑制効果をもつことが観察されています (『牛乳栄養学術研究会第4回学術フォーラム報告書』籏野脩一著、社団法人 全国牛乳普及協会 牛乳・乳製品健康づくり委員会)これは、牛乳が抗がん 作用をもつことを意味します。 |
| ■朝食に牛乳を忘れずに 従来きちんと三食を摂っていた人に実験的に朝食をカットすると イライラ感が募り、逆に、朝食抜きの生活を送っていた人に朝食として 牛乳のみしか与えなくても、気持ちがおおらかになり、集中力もアップ する、と報告されています(『子ども・女性の健康とコレステロール』 牛乳・乳製品健康づくり委員会編)。朝食派は勉強にも積極的という アンケート結果も出ています。鈴木正成早稲田大学教授は、「朝食 (牛乳だけでも)を摂った人は体温が上がり、職場(学校:筆者注) に着く頃には体が活動準備をしている。ところが、朝食抜きの人は、 通勤(通学)中にいったん体温が上がっても、その語また下がる。 エンジンが冷えてしまっては、スタートダッシュがきかない」と解説 しています。加えて、カルシウム不足は、神経を過敏にさせ、イライラ が募るといわれ、、多くの動物実験でもストレスが高まることが 確かめられています(『カルシウムとともに生きる』牛乳・乳製品 健康づくり委員会偏)。最近、子どもや若者がすぐ「きれる」のは、 こんな所にも原因があるのかもしれません。どんなに時間がない ときでも、朝食に牛乳・乳製品をお忘れなく、となる次第です。 一方、成長期の子どもや肉体づくりに励んでいるアスリート (スポーツ選手)では、入眠後1〜2時間の時点で成長ホルモンが 最も多く分泌される(ノンレム睡眠)ので、カルシウムや良質 のタンパク質を多く含む牛乳を就寝前に摂ることが効果的です。 と、やや牛乳を称賛しすぎた嫌いがあったかもしれませんが、 百寿者を目指すには必要不可欠な食品ということでご容赦ください。 |